在来種を植生復元地に植栽する場合,ギャップサイズの差異によって植栽個体の生育が変化すると考えられるが,そのサイズがもたらす影響は植栽種の生育型によっても異なる可能性がある。匍匐茎を水平に広げる種(匍匐茎種)と地上茎を上方に伸ばす種(地上茎種)計5種の在来種を,刈り取り管理されているチガヤ草地内の直径30 cm(大ギャップ)と15 cm(小ギャップ)のギャップに植栽した。匍匐茎種の生育は大ギャップでより良好となったが,地上茎種の生育はそのサイズによる違いがなかった。植栽時の個体サイズが大きいと,地表の光量低下を通して侵入種の発芽が阻害される可能性があり,今後その点の検証も必要である。