日本緑化工学会誌
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論文
樹液流動計測に基づいた樹木の移植後の生育評価―移植後4年間のタイサンボク(Magnolia grandiflora L.) の事例―
竹内 真一髙橋 理一飯田 真一
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2016 年 42 巻 1 号 p. 110-115

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抄録
樹木の移植後の生育評価を検討した長期の樹液流動の測定結果は非常に少ない。本研究では常緑樹種であるタイサンボクの移植個体を対象に,ヒートパルス速度を4カ年に渡ってヒートレシオ法により連続測定した。ヒートパルス速度から推定される樹液流動は,経年的に順調に増加し,3年目から適用したグラニエ法の樹液流速の測定結果からも流れの増加は支持された。また,樹幹内の流速分布は時間経過とともに外側が内側の流れを卓越する結果が3年に渡り得られた。実測した移植直前の個体葉面積と移植後4年目の落葉葉面積がほぼ等しいことから,葉量は増大した。さらに,土壌断面調査により顕著な根系伸長が観察され,地下部の拡大が確認された。経年的な樹液流動の増加と樹幹内の流速分布の変化は計測個体の拡大と調和しており,移植後の正常生育を判定するツールとして樹液流動の計測が有効であることが明らかとなった。
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