抄録
ニホンジカの分布域における斜面緑化工では,採食による裸地化や踏み荒しによる土壌侵食などの被害が増加している。シカ被害対策としては一般に侵入防止柵が用いられることが多い。しかし,斜面では,落石,倒木,積雪のグライド圧などにより侵入防止柵の変状の危険性が高い。そこで,斜面に適応した新しいシカ侵入防止柵を開発し,その効果確認のための実験を行った。実験区設置後約1年間のモニタリングでは,供試植物に対する採食実験,シカの侵入痕の目視確認より,新しいシカ侵入防止柵に侵入防止効果があることを確認した。実生の植被率,出現種数は,実験区内と実験区外の差異は明確ではなかった。