2016 年 42 巻 4 号 p. 550-555
本研究では生の植物 (ヘデラ) と同様の形姿のイミテーショングリーンを屋外に長期間設置し,その葉面に吸着する大気汚染物質 (NOx,SOx) 量を測定し,双方の特性や適切な使用法等について考察を深めることを目的とした。その結果,全実験期間を通してヘデラ,イミテーショングリーンともに SO42-よりも NO3- の単位葉面積当たりの吸着量が大きいこと,寒候期よりも暖候期において吸着量が大となることが明らかとなった。さらに,NO3- の単位葉面積当たりの吸着量については,概ねポリエステル製イミテーショングリーン (PL) 区>ポリエチレン製イミテーショングリーン (PE) 区>ポリエステル-ポリ塩化ビニルコーティング製イミテーショングリーン (PL-PVC) 区>ヘデラ区の順となり,生体や耐候性を高めた製品ほどその吸着量が小さくなった。一方,SO42-の単位葉面積当たりの吸着量については,暖候期と寒候期の差は小さく,寒候期ではヘデラ区の値は PL 区に次いで大きくなることが明らかとなった。