2017 年 43 巻 1 号 p. 138-143
三重県中部地域のスギ,ヒノキ人工林において,過去に測定事例が少ない胸高直径 30 cm以上の大径木を含む様々な直径の立木に対して引き倒し試験を行った。スギ,ヒノキともに最大抵抗モーメントは胸高直径との間に高い相関を示した。地下部特性は,スギでは回転中心の深さ,ヒノキでは回転中心の深さと根鉢半径が最大抵抗モーメントとの相関を示した。スギとヒノキでは胸高直径と最大抵抗モーメントとの回帰式が異なり,同じ胸高直径の最大抵抗モーメントはヒノキがスギよりも大きかった。大径木の試験結果を含むデータセットより得られた本研究の回帰式から求められる最大抵抗モーメントは既存研究の回帰式から求められる数値よりも小さかった。