抄録
棚田地形が土砂災害の被害を軽減する可能性を検討するために,2011年の台風 12号によって土石流被害が多発した和歌山県那智勝浦町にある那智川流域の谷部において,棚田を含む緩傾斜地形が土石流の捕捉に与える効果について現地調査で確認した。その結果,発生した土石流が谷底まで流下せず,途中で停止した地形の多くは棚田地形であった。その際,土石流は棚田地形の平坦面に乗り上げた状態で捕捉されていた。このことから,棚田地形が持つテラス構造は,土石流の流下速度を低下させ,土石流を捕捉し,土砂災害を軽減すると考えられた。