抄録
法面緑化施工地におけるニホンジカの採食被害が顕在化している岐阜県内において,植生基材吹付工と植生基材注入工の 2工法が適用された施工地を対象に約 5年間の植生モニタリングを実施した。植生基材吹付工の施工箇所では,採食による裸地化,踏み荒らしによる生育基盤材の侵食が進行していた。また,植生基材注入工の施工箇所では採食による植被率の低下が見られたものの生育基盤材の侵食までは見られなかった。これらの結果から,ニホンジカの生息域における法面緑化工は,外来草本など嗜好性植物の導入を避けること,踏み荒らしを受けても侵食されにくい工法を選定することが望ましいと考えられた。