抄録
10年以上にわたり定期的に下草刈り取りが実施されている盛土法面に出現する植物の特徴を調査した。種多様性や遷移度に対する刈り取り頻度の差の影響は確認されなかった。上層木の植被率が高い法面において林床層のつる性植物の植被率が高く,また鳥散布種も多く確認され,上層木を鳥が利用することで鳥散布種の導入機会が増加し,その中でも刈り取りに耐えるつる性植物が定着しやすい傾向にあることが示唆された。上層木が存在する法面において,下草刈り取りを実施する場合には,つる性植物を抑制するため,上層木の植被率を低下させ,高い位置での刈り取りを行うといった工夫の必要性が考えられた。