抄録
仙台平野の2011年に被災した海岸林においてカワラナデシコの大規模攪乱への適応能を考察するため,異なる土壌攪乱強度の立地別での生育実態を調査した。3条件区に1 m2 の方形区を5箇所ずつ設置し,2015・2016年の夏季に株密度を算出した。表土流出区は平均90~96株/m2 であり,表土残存区及び基盤土流出区に対し有意に高かった。この表土流出区では開花株や幼個体も多かった。また,さらに強度の攪乱が生じた基盤土流出区は現時点では株密度は低いものの,増加の兆候が認められた。本種は表土攪乱に対する耐性のみならず,それを積極的な個体数増加の契機にしていると考えられた。