日本緑化工学会誌
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特集「乾燥地の生態系とその課題」7. スーダンで乾燥地を支える樹木―アカシアとメスキート―
スーダンの侵略的外来植物メスキートの地下水利用
安田 裕
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2018 年 43 巻 4 号 p. 590-595

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抄録

砂漠化防止策として,スーダンに導入されたメスキートは,高耐乾性により,砂丘固定に効果を示し,砂漠化防止に寄与してきた。しかし一方で,その高耐乾性が在来樹種を駆逐する排他的侵入特性として作用し,外来侵入樹種として大きな問題となっている。この高耐乾性は,根を迅速に深く伸長させ帯水層から地下水吸水することによる。現地調査では,樹高2-3 mのメスキートは23 m深の帯水層から吸水していた。メスキートの生存戦略は,雨季に発芽し根を伸長させ,地下水源に到達させるものである。メスキートの吸水特性として,日中低下現象がある。メスキートは日照時間内に地下水から吸水しているが,正午前後の2-3時間は吸水を停止していた。強日射・高温の正午前後に蒸散を制御して,消耗を防いでいる。これもまた,メスキートの耐乾性を支える特性の一つである。メスキートの吸水による地下水位変化の数値シミュレーションを試みた。フーリエ近似に加えて,ニューラル・ネットワーク・モデルを適用した。気温と日照量を入力として,地下水位を出力とするモデルを構築し,地下水位変動のシミュレーションを行った。結果は高相関であり,日中低下現象も再現されるものであった。

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© 2018 日本緑化工学会
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