2018 年 44 巻 1 号 p. 174-177
本研究は,瀬戸内海沿岸の香川県有明浜を対象にして,南北2 箇所において調査区を設定し,海浜植生の成帯構造と微地形の関係を明らかにすることを目的とした。TWINSPAN による分類の結果,北部は3 群落,南部は5 群落に分割された。各群落は,既往研究における打ち上げ帯,コウボウムギ帯,ハマゴウ帯に相当し,浜堤上に成立する成帯構造であった。北部は,ハマゴウの被度が低い汀線付近の立地で,海浜植物の種数が多かっ た。南部は,汀線から陸側に向かって,海浜植物の分布が明瞭に変化し,波や砂の移動の影響を受けやすい立地と考えられた。