島根県にある浜田・三隅道路の盛土法面でマツ枯れ荒廃林の表土と粘性土を混合して貼り付ける緑化を行い,表土採取地の植生,施工3 年後までの法面の植生および木本の種と個体数,樹高,種子または栄養体(根など)の起源の違いを調べた。その結果,法面では80 種を確認し,そのうち15 種が表土採取地で出現した種であった。法面の植被率と群落高,木本の個体数と平均樹高は施工1 年後から3 年後まで毎年増加した。種子を起源とする個体は各年で全個体数の94.9%以上を占めたが,栄養体を起源とする個体の平均樹高が種子を起源とする個体の2.7 倍以上あり,森林表土利用工における栄養体の有用性が示唆された。