日本緑化工学会誌
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特集「シカの食害から考える緑化斜面における植生管理のあり方」
生態系保全とニホンジカによる食害への対応からみた地域性種苗緑化の優位性
中島 敦司
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2019 年 44 巻 3 号 p. 482-486

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抄録

ニホンジカ(Cervus nippon)による自然植生への食害が全国的な問題となっている。そこで,既往文献にみられるシカ害やシカを取り巻く社会情勢,歴史についての情報を再整理した結果,シカが増加した理由に対する社会理解の中に,研究者も含め非科学的な思い込みが多く含まれることが明らかとなった。また,外来牧草による草地造成はシカの餌場となり得るもので,これに対抗するシカ害を引き起こしにくい緑化工法として,ススキ(Miscanthus sinensis)やチカラシバ(Pennisetum alopecuroides)などシカ不嗜好性の性質を持つタイプの地域性種苗の活用が有効であると考えられた。

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© 2019 日本緑化工学会
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