2019 年 44 巻 3 号 p. 494-497
礫床河川における微生息場の特徴を捉える上では,リーチスケールの土砂動態と地形に注目するのが有効である。河川中流域を対象とする場合,リーチスケールの地形を代表するものが交互砂州であり,この形状特性が,上流からの供給土砂量や河道断面の川幅水深比によってどのように異なるかを理解することが重要となる。そして,こうした交互砂州の形状特性によって,交互砂州上の分級特性も異なる。そのため,流域特性によって,流下土砂の量と粒度組成がどのようなものとなり,また,それによってどのような交互砂州が形成され,さらにその上にどのような物理構造の微生息場が形成されるのかという階層的な解析が可能となる。