礫河原の再生には,植物生態学,動物生態学,河川生態学,地形学,水文学,土木工学,人文社会学などのさまざまな学術領域が関連している。本報告では,礫河原再生に関してとりあつかう対象の測定間隔や解析範囲のほか,対象とする現象が影響する空間的な広がりやその発生頻度や時系列変化など,時間的・空間的スケールの整理を行った。とくに,礫河原を生態系ネットワークのインターフェースと位置づけ,礫河原が介在する諸現象の関連を検討した。既往の知見をスケールの枠組みで取りまとめることが,礫河原再生への統合的な枠組みや,段階的な目標設定を行える枠組み構築を進める一助となると考えられた。