日本緑化工学会誌
Online ISSN : 1884-3670
Print ISSN : 0916-7439
ISSN-L : 0916-7439
特集「ポテンシャルに対応した多摩川河川敷の目標とする自然の変化と合意形成の可能性」
礫河原固有植物の生育地としての多摩川
倉本 宣
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 44 巻 3 号 p. 502-506

詳細
抄録

礫河原固有植物の生育地としての観点から,多摩川の礫河原の空間的な分布,歴史的な分布,季節的な分布を整理した。礫河原と砂礫堆は別の概念であり,礫が優占する裸地的な環境は低水敷と中水敷にみられた。礫河原固有植物は砂礫堆の中水敷の植被率の低い環境に多く分布していた。近年は,中水敷の低植被立地が減少したため,2017~2018年の現地踏査では,低水敷の低植被立地の調査が主となった。カワラハハコは発見できなかった。カワラニガナはすべての調査地で確認された。保全再生活動特性を整理したところ,市民,行政,研究者の協動で行われている活動が長期間続けられる傾向があった。

著者関連情報
© 2019 日本緑化工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top