日本緑化工学会誌
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特集「ポテンシャルに対応した多摩川河川敷の目標とする自然の変化と合意形成の可能性」
多摩川中流域の河川敷空間における野生動物のハビタット保全と災害防除の両立に関する検討
金子 弥生神田 健冴
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2019 年 44 巻 3 号 p. 507-510

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抄録

哺乳類のハビタットネットワークの形成を行う場合,各種や生態系の生態学的な現状を把握する必要がある。日本では,キツネVulpes vulpesやニホンイタチMustela itatsiは環境に合わせて餌食物を変化させるジェネラリストであるため,都市化の進行した環境や,開発の進んだモザイク環境でも生息可能となっていると考えられる。都市の河川においては,河川敷が生息地やコリドーとしての機能を担っているが,一方で,水害防除のための河川敷の改変や構造物設置はやむをえない面がある。災害防除と生態系保全を両立する河川敷のあり方について検討するため,多摩川中流域において,消波根固ブロックの野生食肉目による利用を調査した。その結果,在来種ではタヌキNyctereutes procyonoidesとニホンイタチによる利用が確認された。

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© 2019 日本緑化工学会
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