日本緑化工学会誌
Online ISSN : 1884-3670
Print ISSN : 0916-7439
ISSN-L : 0916-7439
特集「ラン科など移植困難植物の野外播種試験を用いた保全」
ラン科着生種クモラン(Taeniophyllum glandulosum Blume)を用いた野外播種試験と栽培条件下での共生菌を活用した播種試験の検討
蘭光 健人山下 由美遊川 知久辻田 有紀
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 44 巻 3 号 p. 528-532

詳細
抄録

ラン科着生種における野外播種法は,地生種に比べ実践例が限られている。本研究では,クモランをモデルとし,野外播種法と,栽培条件下における共生菌を活用した播種法を検討した。野外播種試験では,ナイロンメッシュの種子袋を親株近傍に固定し自生地のコケで被覆することで,多量の実生が得られた。栽培条件下での播種試験では,人工増殖した共生菌を接種することで,多くの実生を得ることができた。また,栽培条件下でカヤランが付着する枝にクモランを播種しても発芽に成功した。本研究で得られた知見は着生種の保全に大きく貢献することが期待される。

著者関連情報
© 2019 日本緑化工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top