2019 年 45 巻 1 号 p. 115-120
エチオピア北部では、土壌劣化を防ぐために植生回復が必要であるが、植栽した樹木は乾燥した気候のために高い枯死率を示す。そこで、現地に分布する郷土樹種であるオリーブとハウチワノキについて、生存率を高め、アーバスキュラー菌根菌との共生を促進させるAcacia etbica 製の木炭を添加して植栽した。その結果、炭の添加は樹木の成長を促進させなかったが、アーバスキュラー菌根菌の感染率を増加させた。炭の添加は、アーバスキュラー菌根菌の感染率が低下しやすい乾燥した気候下において、菌根菌との共生関係を向上させる働きがあり、エチオピア北部における植生回復に有効であると結論した。