2019 年 45 巻 1 号 p. 220-223
島根県にある浜田・三隅道路の盛土法面でタブノキ二次林の表土と粘性土を混合して貼り付ける緑化を行い,表土採取地の植生,施工 2 年後までの法面の植生および木本の種と個体数,樹高,種子または栄養体(根など)の起源の違いを調べた。その結果,法面では 90 種を確認し,そのうち 4 種が表土採取地で出現した種であった。法面の植被率と群落高,木本の個体数と平均樹高は施工 1 年後から 2 年後まで増加した。施工 2 年後における種子を起源とする個体は全個体数の 77.7%を占めたが,栄養体を起源とする個体の平均樹高が種子を起源とする個体の 3.5 倍あり,森林表土利用工において栄養体は施工 2 年後に樹高の点で有効であることが示唆された。