高木種がほとんどみられず,亜高木種や低木種が優占する約35 年生マツ枯れ被害林において,マツ枯損木を伐倒した上で,胸高直径4 cm 未満の広葉樹の除伐と株立木整理を行う低密度区,胸高直径2 cm 未満を除伐する中密度区,除伐を行わない高密度区を設置し,除伐後2 年間の広葉樹成長を調査した。いずれの密度区でも,主要樹種のコナラ,ソヨゴ,イヌツゲの胸高直径と樹高の成長量はわずかであり,除伐強度の影響は認められなかった。除伐後2 年間で樹高が低下した個体が多数みられたが,これらの発生は胸高直径や樹高が大きいほど少ない傾向がみられ,除伐強度が大きい低密度区では他の密度区よりも樹高が低下した個体の発生が少なかった。