2020 年 46 巻 1 号 p. 79-82
渓流の木製堰堤の形状変化を把握するためには,大量の3次元点群データを短時間で取得可能な地上レーザースキャナの計測が有効である。その計測精度は標定点に依存するが,足場の悪い環境下における標定点の設置は容易ではない。そこで,本研究は,測定精度と作業軽減が両立する標定点設置手法を検討した。その結果,現地に標定点を設置せずにソフトウェアで標定点を設置する作業軽減方法は,標定点に約5 cmの設置誤差が生じた。いっぽう自作の小型軽量ターゲットを標定点として現地に設置する方法は,設置誤差が1.2 cm以下に抑えられ,異なる時期に3次元点群データで表現された形状の比較が可能であると考えられた。