2021 年 47 巻 1 号 p. 195-198
ツツジ科の絶滅危惧種ウメガサソウの都市緑地の自生地において,野外播種試験により得られた個体と自生個体を用いて,幼若期と成熟期の共生菌相を比較した。核リボソームRNA遺伝子ITS領域のDNA塩基配列を使い分子同定した結果,幼若個体では子嚢菌門のセノコッカム属(Cenococcum)が主要な共生菌で,成熟個体ではセノコッカム属とともに担子菌門のベニタケ属(Russula)が主要な共生菌となった。一部の菌種は幼若・成熟個体の両方から検出され,生活史を通じて同一種の菌と共生することが明らかになった。検出された菌はすべて木本植物の外生菌根菌と推定され,都市緑地が3者の共生系を維持する貴重な森林生態系であることが示された。