日本緑化工学会誌
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技術報告
小面積皆伐更新によるナラ枯れ被害の軽減と大径木におけるマスアタックの集中傾向
松本 薫
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2023 年 49 巻 1 号 p. 119-122

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抄録

小面積皆伐により更新した22年生以下(22,21,13,8年生)の林と50年生以上の大径木の林におけるナラ枯れ被害を比較した。被害は胸高直径11.6 cm 以上のコナラで確認された(8年生は被害なし)。穿孔密度を目的変数,周辺木の影響(5,10,15 m 範囲の本数と胸高断面積合計,平均穿孔密度,前年被害木の有無),園路からの距離,胸高直径を説明変数として,22年生以下と50年生以上について解析した。変数の重要度を比較した結果,22年生以下の若い林では,太い木を選んで集中穿孔し,単木的な被害であった。対して,50年生以上の大径木では,太い木に加えて,周辺5 mの穿孔密度が高いほど集中穿孔しており,周辺木を含んだ被害であることが判明した。

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© 2023 日本緑化工学会
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