チカラシバの発芽促進処理方法を明らかにすることを目的に,総苞毛や籾殻を除去した穎果と除去していない小穂に対して発芽実験を行った。その結果,15℃~30℃下では穎果の方が小穂よりも早く発芽し,特に,15℃や20℃下では半月早く80%の発芽率に達した。10℃で播種した場合,5℃または15℃で保存した小穂と穎果は採取直後よりも1ケ月以上早く発芽することがわかった。また,傷を付けた穎果は無傷の穎果や小穂より早く高い発芽率に達した。発芽した穎果の含水率は未発芽の小穂内にある穎果よりも高く,総苞毛や籾殻は小穂内の穎果の吸水を阻害している可能性が考えられた。