日本緑化工学会誌
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技術報告
土壌への雨滴衝撃や踏圧等で低下した林地の降雨の浸透能の向上手法に関する基礎的研究
戸田 克稔
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2024 年 49 巻 3 号 p. 309-313

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抄録

土壌への雨滴衝撃や踏圧等によって土壌の表面や表層が硬化し降雨の浸透能が現に低下している都市内の林地において,土壌の表面を落葉や木チップによって単に被覆するだけで降雨の浸透能が向上するのか否か,また,土壌の表面を落葉等によって被覆する前に土壌の表面をほぐしたり表層を耕耘したりすることで降雨の浸透能がさらに向上するのか否か等を把握するために,横浜市内の落葉広葉樹林地において,実証実験として散水型浸透計により120 mm/h程度の人工の雨を降らせ,浸透率(終期浸透能÷降雨強度×100%)を算定した。その結果,強い雨滴衝撃等を受けた後の土壌の表面を単に落葉や木チップによって被覆するだけでは,降雨の浸透率は向上せずむしろ低下すること,土壌の表面を落葉等によって被覆する前に表面から深さ1 cmまでほぐせば,その下部の土壌の浸透能に応じて降雨の浸透率が向上することが分かった。その一方で,土壌の表面を落葉等によって被覆する前に土壌の表層を表面から深さ5 cmまで耕耘することで,表面から深さ1 cmまでほぐした場合に比べて降雨の浸透率がさらに向上するのか否かについては,今回の実験では十分に実証できなかった。

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