2025 年 51 巻 2 号 p. 211-221
建設分野を中心としてグリーンビルディング評価システム(GBRS)が普及する中,人の健康やウェルビーイングを追求するGBRSとして,WELL認証への関心が高まっているが,WELL認証の取得が持つ付加価値や経済効果を定量化する研究はまだ少ない。本研究では,コワーキングスペースの利用者400人に対しオンライン調査を実施し,WELL認証の取得,健康効果のエビデンス,緑化を重視しているデザイン,価格を要因として,選択型実験とコンジョイント分析を実施した。また,潜在クラス分析を用いて個人属性がコワーキングスペースの選好に及ぼす影響を明らかにした。コンジョイント分析の結果,健康効果のエビデンスと緑化を重視しているデザインは,WELL認証の取得よりも大きなMWTP(限界支払い意思額)の増加をもたらした。潜在クラス分析における4つのクラスの内3つ(利用者の73%)が,選好において緑化を重視しているデザインを最重視し,全4クラスにおいて健康効果のエビデンスと緑化を重視しているデザインが選好に対しポジティブな影響があった。健康効果と緑化を結びつけた情報発信により,GBRSの需要をさらに高める可能性がある。