2025 年 51 巻 2 号 p. 222-231
持続可能な社会の実現に向けて,家庭の食品廃棄物を土壌改良資材として活用する動きが広がっている。世界的にボカシコンポスト(BC)と呼ばれる密閉容器と発酵促進剤を使用する方法や,生ゴミ乾燥処理用の家電を使用する方法(DF)が一般家庭にも普及しているが,都市緑化土壌に対する効果は検証されていない。そこで本研究は屋上緑化土壌(有機基質と無機基質)にBCとDFをそれぞれ混入した上で,東京の夏季を想定した実験室内で4週間継続し,土壌の温度と水収支に関連する項目を検証した。その結果,BCを無機基質土壌に混入した場合とDFを無機基質土壌と有機基質土壌に混入した場合に,圃場容水量と有効水分量が増加した。またDFを有機基質土壌に40%混入したことで,蒸発量が増加した。そしてDFを無機基質土壌と有機基質土壌に混入した場合に,全実験期間に渡り,温度上昇がみられた。家庭の食品廃棄物を屋上緑化土壌の改良資材として活用するためには,植物が保水・冷却に与える影響,施用直後に急激な微生物分解が続く期間を検証する必要がある。