2022 年 78 巻 7 号 p. III_449-III_458
土壌中の粘土鉱物は重金属など元素を吸着し,その吸着能は粘土鉱物の種類により異なる.また,粘土鉱物を加熱することで,粘土鉱物が物理的,化学的に変化し,その変化が重金属など元素の吸着に影響を与える可能性がある.本研究では,カオリナイトなどの1:1型層状ケイ酸塩鉱物,ハイドロバイオタイトなどの2:1型層状ケイ酸塩鉱物を加熱し,pHの異なる条件で,重金属など元素を吸着させた.その結果,カオリナイト,ディッカイトは500℃で,パイロフィライトは1000℃で吸着率が減少し,ハイドロバイオタイトはCsを除き,加熱温度に関係なく,高い吸着率を示した.また,加熱温度により,粘土鉱物の構成元素の溶出率が変化し,重金属など元素を吸着させると,溶出量が増加した.加熱によりpHが変化する粘土鉱物もあったが,その変化と重金属吸着,構成元素溶出に関係性は見られなかった.加熱により構造や吸着能が変化し,その変化が元素の吸着に影響を及ぼしていることがわかった.