日本緑化工学会誌
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論文
田島ケ原サクラソウ自生地における3年間のチューブ灌水が植生に及ぼす影響
山本 暁生山田 晋 島守 涼太大田 一輝重川 勇気荒木 祐二
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2025 年 51 巻 2 号 p. 241-246

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抄録

乾燥化は湿地植生退行の要因の一つである。乾燥化を一因にサクラソウが減少したとされるさいたま市の国指定特別天然記念物田島ケ原サクラソウ自生地にて,チューブ灌水が植生に及ぼす影響を調査した。灌水を2022年に開始し,サクラソウと優占種の生育を灌水区と非灌水区で3年間比べた。2022年のみ,非灌水区よりも灌水区でサクラソウの花茎長や葉長が長くなった。サクラソウと同時期に優占するノウルシは,3年とも非灌水区より灌水区における被度や草高が高かった。この傾向が現われる時期は,2022年よりも2023年と2024年に早まった。継続的灌水がノウルシの生育を年々促進させたため,当初促進されたサクラソウの生育が,ノウルシからの被圧によって打ち消されたと推察された。

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