環境に配慮した有機農業を推進するためにバイオ炭とマメ科の緑肥作物の併用に注目が集まっている。マメ科植物が共生する根粒菌や生物学的窒素固定(BNF)の特性が異なると,収量やBNF量を向上させるバイオ炭混入量も異なる可能性がある。そこで本研究はバイオ炭混入量(0, 30, 60 t/ha)の異なる土壌とポットを使用した無施肥無灌水の屋外実験を実施し,共生する根粒菌とBNFの特徴が異なるナヨクサフジ(Vicia villosa)とベニバナツメクサ(Trifolium incarnatum)を育成した。その結果,ナヨクサフジはバイオ炭混入量60 t/haで収量,リン吸収量,カリウム吸収量,窒素集積量,作物体と土壌に含まれる全窒素量の増加分がそれぞれ最大となったため,ナヨクサフジの最適なバイオ炭混入量は60 t/ha前後である可能性がある。一方で,ベニバナツメクサは本研究のバイオ炭混入量ではいずれの項目でも変化が見られなかった。今後はバイオ炭混入量をさらに絞り込み,安定同位体比率を用いてBNF量を測定した実証実験を行うことが望まれる。