2024 年 41 巻 2 号 p. 118-121
Darrach 法は,尺骨頭切除により遠位橈尺関節(DRUJ)の疼痛を改善するが,新たに尺骨断端部の不安定性(断端不安定性),および尺骨断端部の疼痛・腫脹・click(Ulnar Stump 症状)を生じうる.著者らは,尺骨断端部の安定化のために,方形回内筋(PQ)による被覆・尺側手根伸筋(ECU)腱による制動を行っている.Darrach 法後の断端不安定性・Ulnar Stump 症状に対して,PQ 被覆・ECU 制動が及ぼす影響を比較した.ECU 制動では,PQ 被覆と比較して尺骨断端の背側転位が抑制されたが,橈側方向へはいずれも収束を認めた.Ulnar Stump 症状を呈する群においても,尺骨断端は橈側方向へ収束を認めた.尺側の支持成分を失った尺骨断端の橈側方向への収束抑制には,ECU 制動以外の手技の追加が必要と考えられる.