2024 年 41 巻 2 号 p. 53-57
Dupuytren 拘縮6 例6 指(全例男性小指)に対し,早期の運動療法開始目的に,部分腱膜切除後に局所皮弁と人工真皮を併用した創閉鎖を行った.使用皮弁はulnar parametacarpal flap のみが5 指,ulnar parametacarpal flap とdigitolateral flap の併用が1 指であり,6 指中3 指にPIP 関節の授動術を要した.術後平均観察期間8 か月で平均可動域は133°から234°へ,平均総伸展不足角は103°から16°へ改善した.平均伸展不足角改善率は85.3%で,上皮化までには平均25 日を要した.Tubiana’s staging では術前stage 2 が2 指,3 が2 指,3D+ が1 指,4 が1 指であったが,術後はstage 0 が3 指,1 が2 指,2 が1 指となり,全例で改善を認めた.術後満足度は,非常に満足が5 例,満足が1 例であり,高い満足度が得られた.局所皮弁と人工真皮を併用した創閉鎖の短期成績は良好であった.