2025 年 41 巻 4 号 p. 417-419
重度手根管症候群に対して,手根管開放術と同時にCamitz 法による母指対立再建術を施行した症例の術前と術後6 か月時のつまみ機能を,簡易上肢機能検査(simple test for evaluating hand function:STEF)を用いて比較検討した.対象は6 例6 手で,手術時平均年齢は76.5 歳であった.結果はSTEF の検査7(布)と検査10(ピン),STEF 総得点で有意に改善した.また,握力やピンチ力に有意な差はみられなかった.Semmes-Weinstein monofilament test は4 手が改善した.術後6 か月時では,Camitz 法による母指対立再建の効果とともに,手根管開放術による知覚機能の改善もつまみ機能の改善に寄与していることが推察された.重度手根管症候群に対する母指対立再建術の術後評価法として,STEF は従来の評価法と併用することで,つまみ機能の変化を包括的かつ鋭敏に捉えることができる可能性が示唆された.