日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
当科の過去13 年間におけるSNAC wrist の治療成績
五月女 慧人松井 雄一郎木田 博朗遠藤 健門間 太輔岩崎 倫政
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2024 年 41 巻 3 号 p. 185-191

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抄録

当科の過去13 年間のSNAC wrist の術式と治療成績を調査し,その治療方針を再検討することを目的とした.2011 年1 月~2024 年3 月に,SNAC wrist の診断で手術を行った症例を対象とし,術式,病期,偽関節部位,術後の成績を調査した.23 例23 手に対して手術が行われ,内訳は腸骨移植術が13 手,血管柄付き橈骨移植術が2 手,Four corner arthrodesis が1 手,近位手根列切除術が2 手,舟状骨部分切除+橈骨茎状突起切除+腱球置換術(SETBR)が5 手であった.Stage Ⅰ,Ⅱに対する偽関節手術の治療成績は良好だったが,偽関節部位が近位の場合,全例で骨癒合が得られなかった.Stage Ⅱ,Ⅲに対する関節形成術の成績は比較的良好であり,手関節可動域はSETBR で高い傾向にあった.SNAC wrist の治療では,画像上の変性変化を治療するのではなく,患者の背景や希望を考慮し,除痛と機能温存を目的とした治療を行うべきである.

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