2024 年 41 巻 3 号 p. 192-196
手指伸筋腱断裂患者に対して制限下早期自動運動療法(以下,ICAM 法)を行った.対象は9 名9 指で,損傷部位は全例でZone 5 であり,損傷指は示指2 指,中指5 指,環指1 指,小指1 指であった.介入の結果,術後3 か月で平均%TAM は93.4%を獲得することができ,9 例中7 指が日手会機能評価で優を獲得できた.ICAM 法は術後早期から可動域の拡大を得ることができ,なおかつ従来法の問題点であったMP 関節の屈曲制限や伸展不足なども解決できており,useful hand 獲得に向けた有効な方法の一つではないかと考えられた.