2024 年 41 巻 3 号 p. 200-206
背尺側骨片を有する橈骨遠位端骨折を掌側ロッキングプレートで固定する際,骨片へのスクリューの挿入に,骨片やsigmoid notch の形状がどう影響しているかを調査した.2009 年 9月~2023 年9 月に治療したAO 分類C 型の背側転位型骨折のうち,背尺側骨片を有した365 手を対象とした.単純CT の水平断像で,全例の背尺側骨片とsigmoid notch の形状を調査した.また,術後の単純CT 像を評価できた115 手はスクリューの骨片への挿入有無を,術直後と癒合後の単純CT 像を評価できた57 手は骨片の矯正位損失を調査した.角度固定型プレートでは骨片をとらえにくい症例が3.6%存在した.115 手中24 手は骨片にスクリューが挿入されていなかった.骨片形状によっては,Stellar P(HOYA)がスクリュー挿入に有利である可能性があった.57 手中,背尺側骨片が矯正損失していたのは3 例で,うち2 例はスクリューが挿入されていなかった.一方,スクリューが挿入されていなくとも,整復位が保たれていたものが9 例存在した.3.6%はスクリュー挿入に限界があったものの,骨片の制動には他の要素も影響することが示唆された.