2024 年 41 巻 3 号 p. 207-210
術式が多彩な変形性手関節症だが,近年,低侵襲な骨切り術や関節形成術などで対応する報告が増加している.Ozyurekoglu らの経皮的逆行性スクリュー固定法は,舟状骨の摘出と手根骨間の骨切りのみを4cm の皮切で行い,手根骨間の固定は手背から経皮的に行う低侵襲な術式である.著者らはその方法を応用させて第2-3 指間より経皮的にscrew を挿入し,有頭月状骨切部に対して垂直にscrew を刺入した.Four corner fusion の基本概念は,DISI 変形を矯正した状態で有頭月状骨を固定することにあり,同部位の骨癒合率を高めるために有鉤骨と三角骨の固定を追加する.しかし,原法ではK-wire を使用しており,近年,広く使用されているheadless compression screw は高い骨癒合率を誇る.有頭月状骨間の十分な骨癒合が得られるのであれば,bicolumnar arthrodesis のような,より簡便な部分関節固定で十分な治療効果を得られるのではないかと考える.