2024 年 41 巻 3 号 p. 218-220
手指再接着術後の手術部位感染(SSI)の発生率は低いとされており,その報告も少ない.本研究では,2012 年7 月~2023 年6 月に当院で手指再接着術を行った242 例のうち,術後90 日以内にSSI を生じた8 例(3.3%)を対象に,年齢,性別,SSI 発症時期,受傷機転,切断状況,手術時間,起炎菌などを調査した.8 例全て男性で,平均年齢は42.6 歳,SSI 発症は術後2~84 日(平均44 日),30 日以内の早期SSI は2 例(0.8%)だった.早期SSI の2 例は重度損傷であったが,遅発性SSI の6 例は単純外傷で,全SSI の起炎菌は黄色ブドウ球菌が最多であった.手指再接着術後のSSI 発生率は3.3%であり,早期発症では切断指の高度汚染が,遅発性SSI では鋼線刺入部の感染が原因と考えられた.早期SSI の予防には徹底したデブリドマンが必要であり,汚染の程度によっては再接着術を断念して断端形成術も考慮せざるを得ない.遅発性SSI には,創部管理とともに,骨癒合が遷延する場合は可及的早期の再手術が必要ではないかと考える.