日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
骨原発性悪性リンパ腫による橈骨遠位骨幹端病的骨折に対して,手関節をまたいだBridging plate で治療した1 例
浦田 泰弘安岡 寛理吉村 優里奈
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2024 年 41 巻 3 号 p. 242-246

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抄録

骨原発性悪性リンパ腫(primary bone lymphoma)は,骨以外の臓器に腫瘍細胞を認めない悪性リンパ腫とされ,非常に稀であり治療方法は確立していない.今回,慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma,以下CLL/SLL)による橈骨遠位骨幹端病的骨折の1 例を経験した.CLL/SLL 自体は低悪性度リンパ腫に分類されているが,本症例のごとく多巣性の場合は短期間で病変が進行することがある.治療は化学療法が主体となるが,本症例は病的骨折を生じたため,掌側ロッキングプレートで内固定を行った.その後,短期間で手関節近傍まで骨溶解が進展し,骨折部の再転位を生じたが,Bridging plate を使用することで手関節を温存することができた.

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