日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
Seymour 骨折に対する適切な治療と予後の検討
山本 貴瑛志村 治彦佐々木 亨藤田 浩二二村 昭元
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2025 年 41 巻 5 号 p. 552-555

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抄録

Seymour 骨折は小児の末節骨骨端離開で,爪脱臼や開放骨折を合併することが多い比較的稀な骨折である.本研究の目的は,Seymour 骨折に対する適切な治療法と予後についての検討を行うことである.対象は小児の末節骨骨端離開の15 例(男児10 例,女児5 例)で,年齢は3~16 歳であった.早期(24 時間以内)に洗浄,整復,抗生剤投与の全ての治療を開始した適切治療群,早期に一部の治療を行った部分治療群,24 時間以内にいずれの治療も行わなかった遅延群について調査し,感染の有無を評価した.初診までの日数は受傷0~9 日目で中央値は0 日であった.適切治療群は8 例,部分治療群は1 例,遅延群は6 例であった.適切治療群と部分治療群には感染を認めなかった.遅延群4 例は感染し,急性骨髄炎をきたした.早期に適切な治療が行われなかった症例では高率に骨髄炎を発症した.Seymour 骨折において,初期段階で開放骨折に準じた洗浄,整復,抗生剤投与が必要である.

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© 2025 一般社団法人日本手外科学会
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