日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
重度上肢外傷に対する受傷早期の遊離皮弁と腱移行を用いて機能再建を行った2 例
原 理小島 安弘
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 41 巻 6 号 p. 762-768

詳細
抄録

遠隔地の三次医療機関にて初期治療が行われた重度上肢外傷の2 例を,早期再建目的に受け入れて治療する機会を得た.急性期に遊離皮弁と腱移行を伴う再建を行い,早期に自動関節可動域訓練と腱滑走訓練を実施した.上肢外傷に対するハンドセラピィにおいては,機能手をいかに再獲得しうるかが重要となる.今回,拘縮を回避しながらつまみと把持機能を獲得できたことにより,日常生活に大きな支障なく実用手まで改善が得られた.早期の腱移行を伴う再建は,機能温存に有効と考えられる.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top