2025 年 41 巻 6 号 p. 769-773
橈骨を整復固定した後も尺骨頭が整復されず,尺側手根伸筋(以下ECU)腱が遠位橈尺関節(以下DRUJ)の整復を阻害していた回内型Galeazzi 脱臼骨折の4 例を経験したので報告する.対象は全例男性で,平均年齢17.3 歳であった.橈骨は手関節より平均6.5cm で骨折し,尺骨頭は全例で背側脱臼して,尺骨茎状突起基部骨折を合併していた.手術は受傷より平均4.8 日で行った.最初に橈骨を解剖学的に整復固定したがDRUJ は整復不可能であった.尺骨尺側を展開すると,尺骨茎状突起の骨折部にECU 腱が嵌頓した状態であった.ECU 腱の嵌頓を解除し,尺骨茎状突起を接合することでDRUJ は整復された.術後は手関節中間位で肘上までの外固定を平均3 週行ない,除去後より前腕可動域訓練を開始した.2 例で再脱臼を生じ,そのうち1 例で再手術を行なった.橈骨の解剖学的整復を行なった後もDRUJ の整復が不可能な場合,ECU 腱が整復阻害因子となっている可能性があり,再脱臼の危険性が高いことを念頭に入れる必要がある.