2025 年 41 巻 6 号 p. 881-885
救急外傷医療において,テレトリアージ(遠隔医療トリアージ)システムを活用した手指外傷患者の搬送プロセスと画像評価について分析した.テレトリアージシステムとは,救急隊が撮影した手指の画像を専門医に送信し,それを基に搬送先の病院を迅速に決定する仕組みである.名古屋大学医学部附属病院において,2013~2018 年の間に救急搬送された44 例63 指を対象とした.救急隊の画像撮影の質が搬送の適切性に与える影響を評価した結果,撮影枚数が多いほど適切な画像が得られる傾向が確認された.また,手外科専門医2 名による画像診断の一致度は「完全切断の有無」や「緊急性・専門性」において高い結果を示した.画像情報を活用した迅速な病院搬送の可能性を示す一方で,撮影技術の均一化や映像データの活用といった課題もある.将来的には,AI の活用により画像情報からの重症度診断を自動化し,搬送効率をさらに向上させるシステム構築を検討していく.