2025 年 42 巻 3 号 p. 300-305
背尺側骨片を伴う橈骨遠位端骨折に対して中空スクリューを用いたWire fixation via cannulated screw(WVC 法)を考案し,その有用性を検討した.対象は半年以上経過観察可能であった5 例とした.本法はGlobal Form®(ネクスメッドインターナショナル社)を用い,中空スクリューを介して背尺側骨片を縫合糸で固定し,かつスクリューによる有効なsubchondral support にて矯正損失を最小限に抑える方法である.評価項目は各臨床所見に加え,術後6 か月目の転位程度である.術後半年目でのCT にて骨片の転位はみられなかった.最終経過観察時点におけるDASH の平均値は14.2,手関節可動域の平均値は回内87°,回外86°,伸展45°,屈曲49.6°,握力の平均値は健側比56.3%,矯正損失の平均値はvolar tilt(VT)-0.64°,radial inclination(RI)-0.54°,ulnar variance(UV)+1.82mm であった.WVC 法は背尺側骨片を伴う橈骨遠位端骨折の治療において有用な選択肢となりうると考える.