日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
橈骨遠位端骨折患者における骨粗鬆症の重症度評価―費用対効果を考慮に入れた治療を行うために―
加地 良雄山口 郁子山口 幸之助岡 邦彦宮本 瞬石川 正和
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2026 年 42 巻 4 号 p. 459-462

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抄録

近年,橈骨遠位端骨折(DRF)後の骨粗鬆症(OP)治療が重視され始めているが,全てのDRF 患者にOP 治療を行うと費用が膨大となることを指摘する報告もある.本研究では,DRF 患者の骨密度を診断基準に照らし合わせた場合,どれくらいの症例がOP および重症OP と診断されるかを調査した.さらに,腰椎,大腿骨の骨密度も治療が必要な程度に低下しているのかを調査した.DRF 受傷時に腰椎,大腿骨の骨密度検査を受けた94 例を診断基準にあてはめると,OP なし,OP,重症OP と診断される症例の比率はそれぞれ24.1%,34.5%,41.4%であった.つまり,DRF 患者の大多数にOP 治療が必要となり,そのうち半数以上の患者には重症OP の治療が必要になるという結果になった.一方で,腰椎,大腿骨の骨密度平均YAM は,重症OP の大腿骨頸部を除くと全て70%以上であり,積極的な治療が必要かどうかは疑問が残る結果となった.今後は費用対効果を考えた治療方針を模索していく必要があるかもしれない.

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