2026 年 42 巻 4 号 p. 571-575
母指CM 関節症に対して手術を行った74 例を対象とし,関節鏡所見とEaton 分類との関係を調査した.関節面のほぼ全体に関節軟骨を認めた症例(phase 1)が2 例,関節面全体の1/2 以上の軟骨が残存していた症例(phase 2)が1 例,関節面全体の1/2 以上の軟骨が消失していた症例(phase 3)が37 例,関節面全体の関節軟骨が消失し,象牙化に近い状態であった症例(phase 4)が34 例であった.滑膜炎は,炎症性滑膜なし(grade A)が16 例,炎症性滑膜あり(grade B)が36 例,関節面を確認できないほどの滑膜炎(grade C)が13 例,滑膜にピロリン酸Ca の沈着(grade D)が9 例であった.Eaton 分類stage Ⅱにはphase 1〜4 が全て含まれていた.単純X 線所見のみでは関節軟骨の状態を判断することができないため,可能であれば関節鏡で関節軟骨の状態を確認してから治療方針を決定することが望ましいと考える.