2026 年 42 巻 5 号 p. 632-635
橈骨遠位端骨折の治療後の臨床成績評価に医療者側評価と患者立脚型評価があるが,患者満足度との関連は必ずしも明らかではない.橈骨遠位端骨折の治療後3 か月の患者満足度に関連する因子と,受傷前上肢機能と治療後満足度との関連を検討した.橈骨遠位端骨折を受傷し,3 か月以上の経過観察と評価が可能であった保存治療15 例,手術治療19 例の計34 名(平均年齢65.8 歳,男性12 名,女性22 名)を対象として後ろ向きに調査した.受傷前のQuickDASH,Patient-Rated Wrist Evaluation スコア(PRWE),治療後3 か月のnumerical rating scale(NRS)評価による疼痛程度,自動関節可動域,QuickDASH,PRWE,5 段階評価による患者満足度を調査した.患者満足度は,治療後3 か月のNRS 評価による疼痛程度,QuickDASH,PRWE と有意な相関があった.受傷前上肢機能とは相関がなかった.患者満足度は疼痛軽減と機能改善に関連するが,受傷前の上肢機能とは関連しない可能性があり,受傷前の上肢機能を的確に把握し,患者個々の背景を考慮した治療目標設定が満足度向上に重要と考えられる.