2026 年 42 巻 6 号 p. 838-841
当院で手術治療を行った長母指伸筋腱断裂の25 例を後方視的に検討した.発生原因は,橈骨遠位端骨折15 例(保存療法後11 例,掌側プレート固定術後4 例),関節リウマチ4 例,母指CM 関節症のThompson 法術後2 例,その他4 例であった.橈骨遠位端骨折に対する掌側プレート固定術後の断裂部位は4 例いずれもLister 結節部であり,CT 検査で4 例すべてにLister 結節にかかる骨折を認めた.術後のX 線およびCT 評価で明らかな背側スクリュー突出は認められなかった.スクリューの設置位置の評価とともに骨折型の評価も重要であり,CT による詳細な評価が有用であると考えられた.関節リウマチの4 例は,手関節の掌側亜脱臼やLister 結節の変形などの骨関節変形および滑膜炎に起因する断裂と考えられた.Thompson 法術後の2 例は,いずれも長母指外転筋腱と短橈側手根伸筋腱の縫合部に起因すると考えられ,注意すべき合併症の一つである.