2015 年 44 巻 2 号 p. 315-339
この研究は,2元表において,セル毎の逐次的な用量反応試験によって得られた観測値をもとに,交互作用をもつ最小用量を逐次的に検出する逐次型多重比較法を提案する.この方法を実現するために,2×2対比を用い,交互作用なしとする帰無仮説を逐次的に検定するこの手法に群逐次検定法を応用する.もし,この逐次検定で,早い段階で交互作用を持つ用量を検出したら,その段階までの少ない観測値でこの手順を終了出来る.これより,観測値を得るのに高い費用を必要とするとき,この手法は経済的に有効である.この方法の中で,定義されたType I familywise error rateを満たすような繰返し信頼限界を決めるための積分公式を導出する.さらに,検出力を保ちながら,各セルにおける必要標本サイズをどのように求めるかを示す.シミュレーションでは,いくつかの母平均の配置に対し,検出力や必要標本サイズに関して,3つのアルファ消費関数をもとにした方法間の有効性を比較する.